遅ればせながら、
月イチ恒例、スペシャルワインのテイスティング。
レ・ペルゴーレ・トルテ'11/モンテヴェルティーネ
トスカーナのサンジョベーゼらしく、エッジは輝きのあるルビー色。
アルコールの高さ、ヴィンテージの若さからくる揮発性はあるのですが、妖艶ささを合わせ持ち、土、ミネラル、鉄分、血、小豆、百合の花など複雑な香りです。
口に含むと、豊富なタンニン量ではありますが、キラキラとしていてチェリーやイチゴのような酸と果実の甘味、胡椒のようなスパイスと、そのギャップに驚いてしまいます。
ワイン・アドヴォケイト誌(いわゆるパーカーポイント)95ptのようです。
素晴らしいワインです。
補足ですが、オーナーはマルティノ・マネッティさん。そして彼のワイン造りに多大な影響を与えた、巨匠ジュリオ・ガンベッリ氏。トスカーナのサンジョベーゼを知り尽くしている醸造家、天才的な試飲能力を持つとも言われ、そのジュリオさんが惜しくも2012年に亡くなられたそうです。享年86歳。
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの基礎を作ったビオンディ・サンティに見出され、カーセ・バッセのジャン・フランコ・ソルデラ(現在はブルネッロを名乗っていません)や、ポッジョ・ディ・ソット、このモンテヴェルティーネなど、名だたる生産者に尊敬される偉大な方。
このペルゴーレ・トルテは、亡くなられる1年前のヴィンテージで、その思いがラベルにも記載されています。わかりづらいですが。
晩年は、ワイン造りにどれほど携わったのかは分かりませんが、恐らく'11が最後のヴィンテージであることは間違いなさそうです。
サンジョベーゼのエレガンスを追求した、そんなワインの美しさがあります。
今後もワイン造りにその想いは伝わって、また素晴らしいワインを届けてくれると思います。
スペシャルワインに相応しい、美味しいワイン、ご馳走様です。